給水管更生技術「ダブルライニング工法Ⅱ」

技術概要

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-V)及び水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(SGP-P)とねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手(メッキ処理または樹脂コーティング処理)を組合せた配管は、管接続部と継手内面に発生した錆の増殖によって赤水や給水量の減少など、給水機能の低下を来し、ついには、ネジ部の減肉により漏水の発生となる。 これらの問題を解決する為に、本工法は、診断から保証にいたる一貫した工事システムを採用している。

工事システムの概要

事前診断を実施する事により、工法適用の可否判定を行うこととした。
施工にあたっては、技術の教育を受けた者が、適正な施工管理と責任体制のもとに行うこととした。
施工時のチェック体制を強化する事により施工性能の確保を図る。
引渡し完了後、10年間の工事保証を行う。
開発した技術及び施工に関する責任は(株)サニーダが負うこととする。 技術の概要 既存の建築物に施工された水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-V)及び水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(SGP-P)の配管内部の錆及び付着物をサンドブラストで除去し、管内面に塗り残しのない防錆塗膜を形成することにより給水管の更生をはかる技術である。主要な工程として研磨と塗布の2工程に分けることができる。
①研磨工程は、研磨対象管の2方向からサンドブラストし、直管部の樹脂面の汚れ、管接合部を含む継手部(以下、防錆部という)の錆及び付着物を除去するとともに、さらにスィーパーボールを通過させて清掃と管内検査を行う。
②塗布工程は、下塗りと上塗りの「2色」の2液性エポキシ樹脂塗料を「W式塗布」し、下塗りと上塗りともライニングホールを通過させることにより、管部を含め継手部に平滑に塗料が付着し、塗り残しやピンホール及び管閉塞のない耐久性能の高い防錆塗膜を形成する。

諸元性能

1) 適用管種<管>
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-V)
水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(SGP-P)
<継手>
ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手 表面処理(素、亜鉛めっき、樹脂コーティング)
2) 適用呼び径15A~150A
3) 研磨性能と管内状態管接合部は内視鏡で錆のないことを確認し、継手研磨面に赤錆を残さないこと。
4) 塗膜性能防錆部は0.5mm以上の塗膜厚を確保し、ピンホールは1200Vの印加電圧で感知しないこと。
5) 施工性(塗布性能)・全配管網塗布面は塗り残しや管閉塞がない。
・直管部では平滑で、管接続部を含む継手部では形状に即した均一な塗布面でピンホールがない。
6) 水質の安全・本工法に塗料(以下、DBコートという)は「日本水道協会規格JWWA K-135水道用液状エポキシ樹脂塗料塗装方法」に適合している。
・工事完了後、水道法第20条に基づき、指定検査を受け水質が所定の基準を満たしていることを確認する。
7) 耐久性・DBコートは、日本水道協会規格 JWWA G-112の「塗膜の性能試験方法」に合格している。
・本工法により施工された塗布管について、JIS K 5400「塗料一般試験方法」の8.5.1「碁盤目試験」による、「樹脂被服鋼管におけるDBコートの密着力試験」において、10点満点の試験結果である。
・本工法による継手部の塗膜にはピンホールがなく実際塗布厚は0.5mm以上確保され耐久性の向上が図られている。
・加工に際し、配管システム及び管の劣化状態を1次診断及び2次診断を行うことにより可否判定の精度を高め、工法適用の適性を図り、耐久性の確保を行う。