センター年度事業報告
令和4年度 事業報告
総括的概要
- 令和4年度は一般財団法人に移行後11年目であり、第4次中期計画(令和3~5年度)「公共建築の長寿命化及び保全・施設管理の情報化の促進」に基づく重点課題と定款に掲げる事業全般に関して、社会的ニーズの変化に合わせた重点的な取組を行った。
- 保全技術研究所では保全・改修に関する調査研究に取り組むとともに、BIMMSの運用を行った。また公共建築マネジメント研究センターでは、公共建築マネジメントの継続的な状況把握、地方公共団体の施設マネジメントの支援、施設の利用実態に関するベンチマーク調査等を実施した。
具体的事項
1.評議員会及び理事会
- 評議員会
第49回定時評議員会(令和4年6月14日)を開催した。 - 理事会
第99回理事会(令和4年5月27日)、第100回理事会(令和4年6月14日)、第101回理事会(令和5年3月24日)を開催した。
2.官公庁施設等の保全に関する総合的な調査研究及び技術開発
[定款第4条第1項(1)]
- 建築改修工事監理指針に関する調査研究を実施した。
- 建築保全業務共通仕様書等の調査研究を実施した。
- 建築物のライフサイクルコストの調査研究を実施した。
- 令和2年度公共建築工事標準仕様書等基礎調査資料作成業務(第1回変更契約業務)、令和4年度建築保全業務共通仕様書等の改定に関する調査検討業務、令和4年度建築保全業務結果の活用状況に関する調査検討業務、令和4年度官庁営繕事業における一貫したBIM活用に関する調査検討業務、国会議事堂本館耐震診断等支援業務、令和4年度九段会館及び同敷地における建物等整備に係るモニタリング業務、2019-21年度国技館基幹設備等改修2期工事及び改修3期工事等の監理業務、国技館基幹設備等改修(4期)工事の監理業務、国技館ビル改修工事の監理業務を受託した。
3.官公庁施設等のストックの有効活用等に関する調査研究及び技術開発
[定款第4条第1項(2)]
- 862自治体(47都道府県、20政令市、東京23区、772市)を対象に「公共建築のマネジメントの状況に関する調査2022(略称「ストック調査2022」)」(378(44%)の自治体から回答)を実施し、協力した自治体が閲覧可能なよう調査結果をホームページ上で報告した。
- ベンチマーク研究会(参加自治体数26)において、清掃業務の仕様書比較を行った。
- FM事例調査のため、地方公共団体にヒアリングを行った。
- 1自治体から公共施設マネジメント支援業務を受託した。
4.官公庁施設等の保全に関する情報の収集、蓄積及び提供[定款第4条第1項(3)]
- BIMMSの運用
- 93自治体、30,172棟登録(令和5年3月31日現在)
- BIMMSの普及
- BIMMSに関心を示している地方公共団体に対して、概要・費用等の説明を行った。
- BIMMS利用者懇談会は令和4年10月と令和5年3月の開催を中止した。
- 次期BIMMS(令和6年度~)の開発に関する検討
- 次期BIMMS(令和6年度~)の開発に関する検討を行った。
5.建築物等の保全等に関する図書等の出版及び研究成果等の普及促進
[定款第4条第1項(4)]
- 出版、改訂を行った出版物等
- 公共建築改修工事標準仕様書(令和4年版)の出版を行った。
- 建築改修工事監理指針(令和4年版)の出版を行った。
- 建築改修工事特記仕様書(令和4年版)(CADデータ)の発売を行った。
- 建築保全六法の改訂(編集)、建築保全手帳2023の出版を行った。
- ホームページ、ネットワークニュース、機関誌の発行
- ホームページの内容の逐次更新等を実施した。
- 「公共建築のFMと保全ネットワークニュース」を月1回、443の送信先(自治体等)に配信した。
- 機関誌Reを第214号から第217号まで発行した。
6.建築物等の保全等に関する研修、講演会、講習会等の開催及び相談等支援
[定款第4条第1項(5)]
(1)実施した研修、講習会、講演会等
調査研究成果及び保全・FM技術の普及啓発、官民の人材育成のため次の事業を実施した。
名 称 | 開催時期 | 開催地 | 参加者 |
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BIMMS等の研修 | 5/13,5/16,7/1,9/2,11/11 | 東京都 | 23名 |
公共建築改修工事標準仕様書(令和4年版)講習会(有料) | 6-10月 | 全国33か所 | 5,195名 |
建築物のライフサイクルコスト講習会(有料) | 6/30,7/1,7/4,7/5 | WEB配信 | 63名 |
建築仕上げリフォーム技術研修(有料) | 7/26-28,8/3-5,9/14-16 | 東京都、大阪市、福岡市 | 60名 |
建築物の簡易な劣化判定手法講習会(有料) | 10/27,28 | WEB配信 | 37名 |
保全技術研究会「戦略的な公共建築マネジメントの取り組み-その可能性を広げる方策-」 | 11/16(ライブ配信共) 11/28,29(WEB配信) | 東京都、WEB配信 WEB配信 | 100名 40名 |
記念講演会「サスティナブルな建築と環境」小泉雅生 東京都立大学大学院工学系研究科建築学域教授/小泉アトリエ パートナー | |||
保全技術講習会(有料) | 11/28,29,30 | WEB配信 | 64名 |
建築物の維持・保全研修(共催・有料) | 1/24-27 | 小平市 | 47名 |
建築改修工事監理指針(令和4年版)講習会 | 1-3月 | 全国9か所 | 306名 |
(2)相談・支援等の実施
相談 | 内容 |
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保全とFMに関してメール等により相談実施 | 自治体等から49件 |
支援(公共建築のFMと保全ネットワーク) | 内容 |
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公共建築のFMと保全ネットワークの運営 | 運営委員会で次年度の支援内容等を審議 |
自治体等FM連絡会議・同分科会の開催支援 | 自治体等FM連絡会議盛岡大会(7/14-15、WEB配信)・東京大会(2/3、WEB配信)、千葉県地域会(1/27開催)、福島県地域会(1/18WEB開催)、広島県地域会(6/3開催)、多摩地域会(8/16、2/7開催)(講師謝金助成)、群馬県地域会(6/6開催) |
支援(講師、委員の派遣等) | 依頼組織 |
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FM推進戦略委員会委員 | (公社)日本ファシリティマネジメント協会 |
材料施工分科会委員 | (一社)日本建築学会 |
建築社会システム委員会 建築ストックマネジメント小委員会委員 | (一社)日本建築学会 |
耐久設計支援ガイド調整WG委員 | (一社)日本建築学会 |
理事・運営委員会委員 | (一社)building SMART JAPAN |
ISO/TC59/SC14WG委員 | (一社)建築・住宅国際機構 |
公共建築改修工事に係る講習会講師【栃木】 【茨城】 | (一社)栃木県建設業協会 (一財)経済調査会 (一社)茨木県建設業協会 (一財)経済調査会 |
松戸市公共施設再編整備推進審議会委員 | 松戸市 |
府中市学校適正規模・適正配置検討協議会委員 | 府中市 |
府中市文化センターあり方検討協議会委員 | 府中市 |
船橋市行革アドバイザー | 船橋市 |
福島市市民センター建設市民懇談会委員 | 福島市 |
松戸市庁舎整備検討委員会委員 | 松戸市 |
松戸市環境影響評価等業務委託プロポーザル選考委員会委員 | 松戸市 |
杉戸町新庁舎整備審議会委員 | 杉戸町 |
豊田市公共施設マネジメント研修講師 | 豊田市 |
静岡市公共施設マネジメント研修講師 | 静岡市 |
龍ケ崎市公共施設等マネジメント推進委員会 | 龍ケ崎市 |
施設保全研修会講師 | 台東区 |
施設設備維持保全担当者研修会講師 | 岩手県医療局 |
インフラ点検に必要な知識及び技術力の向上研修会講師 | 近畿管区警察局 |
7.民間開発の建築物等の保全技術の技術審査・証明 [定款第4条第1項(6)]
給排水管更生技術の新規0件、変更3件、更新1件の審査を実施した。
8.官公庁施設等の保全及び耐震に関する評価 [定款第4条第1項(7)]
対象案件なし。
9.官公庁施設等の施設マネジメント支援 [定款第4条第1項(8)]
官公庁施設等の施設マネジメント業務、点検業務を実施した。
10.その他本センターの目的を達成するために必要な事業 [定款第4条第1項(9)]
公共建築の日及び公共建築月間の各種事業を支援した。