技術概要
既存の建物に配管された雑排水管の内面を高圧水洗浄・研磨材による研磨を行った後、防錆のための主剤・硬化剤・硬化促進剤の3液から成るビニルエステル塗料(以下塗料)を用いてライニングを施して更生する技術である。この工法は研磨前に管内を洗浄し負圧吸引法で管内の研磨下地処理を施した後、塗料とウレタン製球体であるボールを用いて管内壁に平滑な塗膜を形成し即日復旧を可能とする技術。
諸元性能
1)適用管種 | 配管用炭素鋼鋼管(白)(以下 SGPと称す) |
2)適用管経 | 40A~150A |
3)適用除外範囲 | (1)横型トラップ鋳鉄製。 (2)立て管の切断が行えない構造などで本工法適用が困難な場合。 (3)特殊継手排水システムの使用されている場合。 (4)腐食劣化の進行により配管破損があり耐久性が無いと判断した場合。 (5)施工対象配管が屋外に配管され温度が5℃に達しない場合。 (6)敷地内での施工機器などの設置が困難な場合。 (7)可動部分を有する機器、弁または可とう継手。 (8)その他、本工法の適用が困難と判断された配管・部位 |
4)施工実施地域 | 日本全国 |
工程
工程は調査診断、準備、研磨前洗浄、研磨、ライニング・検査・復旧・引渡しの工程に分けることができる。
(1) 調査診断 | 配管の劣化状況を調査し劣化の範囲と程度を把握するとともに、各診断結果をもとに配管の残存寿命を評価し更生工事の施工可否を判断する。 |
(2) 準備工程 | 施工計画書を作成し、管理組合への説明後、日程・作業内容の説明会を開き承認を受け、諸官庁への届出、近隣対策を行う。場内への資材搬入や建物の養生及び施工に必要な点検口を設置する。 |
(3) 研磨前洗浄工程 | 配管内に油などが固着した状態で研磨を行うと作業効率が悪くなる。研磨時の研磨材や作業時間を軽減するために高圧水洗浄を行う。 |
(4) 研磨工程 | 研磨材を用いて配管内面の錆を除去し、研磨度をISO8501 Sa 2 1/2にする。また、80A・100A・125A・150Aの配管には研磨材と研磨治具を挿入し研磨を行う。 |
(5) ライニング工程 | ボールを使用し配管内面に塗り残しがなく切れ目のない塗膜を施し、平滑な塗膜面を形成するものである。 |
(6) 検査工程 | 内視鏡管内カメラを使用し、塗り残しの有無を確認する。配管切断箇所に取り付けたサンプル管により膜厚を電磁塗膜厚計で測定し、1mm以上の塗膜であることの確認を行い、ピンホールテスターで測定し、貫通するピンホールの有無を確認する。硬化度検査で鉛筆硬度H以上であることの確認を行う。 |
(7) 復旧工程 | 塗膜検査後、切断箇所・排水器具の復旧を行い、横枝管の各排水口より15リットル以上の水を貯め一度に流し、漏水の有無を確認する。養生シート等を撤去し清掃を行う。施工前に移動させていただいたもの等があれば元の位置に戻し最後に全ての箇所の見回り確認を行う。 |
(8) 完成検査・引渡し | 施工完了報告書及び保証書を施主へ持参し工事完了報告を行う。 |